■INTO SNOW 1


聖地が、なぞの皇帝と呼ばれる男に落ち、女王陛下と補佐官が捕らえられてから、随分経つ。
俺たち守護聖が聖地にいたにもかかわらずこんな結果を生んでしまったことが、今でも悔やまれる。
だが、聖地から遠く離れた惑星を飛び回っている間に、新宇宙のお嬢ちゃんや共感・協力者たちと出会い、
皇帝の正体や居場所すらも掴んだ。後は、新宇宙のお嬢ちゃんの杖が直れば、
すぐに我らが女王陛下をお救いすることが出来る。
そして、今はその杖についている「女王を識る石」について調べている
エルンストやルヴァからの朗報を、宿屋で待っているところだ。

「オスカー、シャワー空いたぜ。」
「ああ、続けて使わせてもらうよ。」

そんな旅の中で俺たちと行動を共にしている銀髪の男が、今日の同室の相手だ。
部屋の相手なんて、こいつ以外はみんな気心の知れたやつばかりだから別に誰と一緒になろうとかまわないのだが、
お子様連中の意見で毎日くじ引きで部屋の相手を決めている。
この銀髪の男、口が悪いのが玉にキズなんだが、顔はなかなか悪くないし、
体も程よく筋肉がついてて、女が放って置かないタイプだ。
たまに遺書に酒場に行くと、この俺に目もくれないで飛びついていく女も、少なくない。
だが、こいつの瞳は、いつもどこか冷たい、と言うか寂しさがこもっている。、
俺は、それが気になってきているんだ。

「おい、ぼーっとしてるなよ?シャワー、続けて使うんだろ?」
「ああ、すまん。今行くから。」
「やれやれ。守護聖様ってのは、意外とお気楽なのか?」
「一般市民が思ってる程、楽ではないと思うぜ。」
「金銭感覚は、思った通りだったけどな」


いつもの他愛ない会話よりは真剣な話をして、俺は、いつも伸ばすローブとタオルを片手に、
カビ臭いシャワールームへと入った。リュミエールやランディが同室の時なら
下着だけでうろうろすることもあるが、こいつのよからぬうわさを小耳に挟んでしまったから・・・・。



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