■Pure 6
「新宇宙のほう、どうですか?」
「そうですね。生まれたての宇宙ですので、まだ不安定な時もありますが、
育成時に注がれたサクリアのおかげで少しずつ安定してきてますよ。主星以外の
惑星の酸素や天候がもう少し安定すれば、確実に人口増加につながります。」
「へぇ・・・。やっぱり、守護聖様って必要な存在なんだね。」
「そうですね、女王で支えている宇宙もありますが、やはり、守護聖様の存在が
宇宙の寿命を延ばす鍵になっているようですね。」
メルが、お茶器で紅茶の用意をしながら新宇宙の話をすると、エルンストさんすごく嬉しそう。
そんなにうれしそうな顔で話されると、メルもうれしくなっちゃうよ。
「ねぇ、エルンストさん。メル、悩み事があるんだけど相談していい?」
「私などで力になれるのでしたら、気が済むまで付き合いますよ。」
「あのね。エルンストさんはその・・・、好きな人が出来たことってありますか?」
もっといろんなトコロからそういう話に持っていこうかとも思ったんだけど、やっぱり
メルにはそんなこと思いつかなくて、単刀直入に聞いちゃった。
だって、そんな遠まわしにしてたら、頭の中の声が大きくなりすぎて、自分を
抑えきれなくなっちゃいそうだから・・・。
「そうですね。私は恋愛というものに疎いですから。敬愛という気持ちを抱くことは
ありましたが、それと恋愛は違うと、恋愛経験のある者に聞いたことはありますよ。」
「あのね、エルンストさん。エルンストさんは男が男を好きになって恋愛対象として
みるのを、どう思いますか?」
「自然の摂理では、9割の人が異性を愛しますが残りの1割の人は同姓を愛しています。
その比率で、人は同性愛者を軽蔑してしまいがちですが、人を開いてに愛するという
根本は同じ。ただ、その対象が違うというだけです。私の考えでは、人を愛するという
行為自体が素晴らしい。そう思いますよ。」
エルンストさん、商人さんと同じこと言ってる。
やっぱり、人を誰かを愛するという気持ちを第一に考えて、その対象は二の次なんだ。
「エルンストさんは、もし男の人に好きですって言われたら、それを受け止められる?」
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